
時を重ね、街へ風景をつなぐ
地域の歴史を象徴する古刹から延びる新たな観光道路の整備に伴う、門塀と庭の再整備計画である。
養蚕建築である既存建物と調和する数寄屋門を基調に、左官壁や焼杉板塀、瓦屋根など異なる素材や要素を切り替えながら門塀を構成した。屋根には解体した倉庫の瓦を再利用し、この家に残る素材を新たな風景へ受け継いだ。
また、塀の高さに変化をつけ、部分的にスリットを設けることで、単調で重すぎる印象を避けるとともに、本来閉じるための塀を街と庭をつなぐ境界へと変えた。「観光道路とともに地域の風景を育てていきたい」という施主の思いを受け、庭の緑を道行く人と分かち、街並みに緑を添える外構を目指した。
既存樹木を可能な限り移植し、四季とともに表情を変える雑木や草花を新たに加えた。将来予定されている用途の変化も見据え、露地庭の趣を取り入れながら、飛び石で手水鉢、季節の植栽を巡り、街中から木々に包まれた静けさへと人を迎え入れるアプローチとした。
改修前は西側の観光道路に面していた入口を、建築当初と同じ南側へ移した。富士山と向き合う南側を再び正面と位置づけ、門、庭、既存建物の関係を整えることで、この家が本来もっていた佇まいを現代へつないだ。







MEMBERS
設計・監理:Ken-ichi Fukui / Hinako Komiyama
施工:
DATA
所在地:山梨県甲州市
用途:外構(庭・門塀)
構造:木造(門塀)
敷地面積:㎡
種別:新築


