
大森に建つ小規模旅館
大田区大森に建つ3階建ての木造住宅を改修し、小規模旅館へと転用する計画である。北側に道路、南側に2階建て住宅が隣接し、間口に対して奥行きの深い東京の典型的な住宅構成であったため、1〜2階は光が入りにくい環境であった。そこで2階のリビングダイニングの壁を取り払い、奥まで光が届くよう空間を再構成した。さらに壁を白くすることで光を拡散・反射させ、限られた採光を活かしている。一方で、キッチンや既存の木部を残し、空間が一様にならないよう計画した。客室も、元和室には低いベッドや椅子、洋室には高めのベッドやワーキングスペースを設け、異なる過ごし方が生まれるよう工夫している。既存の構成や素材を活かしながら、光と用途を再編集し、住宅を新たな滞在体験へと変えている。
奥行きの深い既存住宅の構成を活かしながら、壁を取り除き光の経路をつくり出した。白い壁による反射・拡散と既存の木部を組み合わせ、空間に明暗と奥行きを与えている。
既存住宅を壊して建て替えるのではなく、光や素材、空間の使い方を更新することで新たな価値を生み出す。住宅を旅館として再生し、建物の時間を未来へつないでいく。



MEMBERS
設計・監理:Kensei Ishii
施工:
写真:
DATA
所在地:東京都大田区
用途:旅館
竣工:
構造:木造
延床面積:120㎡
種別:リノベーション












